水曜日, 9月 20, 2006

高齢者専用住宅のニュース:読売新聞引用

今は元気だけど、将来は不安な人に…高齢者専用賃貸住宅

キッチンもついていて広々としている「ココファンレイクヒルズ」(東京都大田区)
「住み続ける権利」保証
 昨年12月に、高齢者向け住宅の新しい制度として「高齢者専用賃貸住宅」ができました。今後、高齢者向けの賃貸住宅として増えていくと予想されています。ただ、現状では、部屋の広さも賃料もサービスの内容も千差万別です。制度の内容とともに、入居の際には個別の物件をよく調べることが必要です。(斎藤雄介)
 「まだまだ元気だけど、一人暮らしがちょっと不安になってきた」
 高齢者の情報を提供している「シニアライフ情報センター」にはこんな相談がよく寄せられます。「従来であれば、ケアハウスと有料老人ホームが選択の対象でしたが、元気な方向けに、最近は高齢者向けの賃貸住宅もいろいろ出てきました」と池田敏史子事務局長は言います。
 高齢者向けの賃貸住宅には、入居者の所得に応じて家賃補助があり、バリアフリー(段差などがない)の「高齢者向け優良賃貸住宅」、高齢者の入居を拒まない「高齢者円滑入居賃貸住宅」などがありましたが、昨年12月から新たに、「高齢者円滑入居賃貸住宅」の中に、高齢者のみが入居する「高齢者専用賃貸住宅」(高専賃)という制度ができました。
 「まだ数は多くありませんが、今後、この高専賃が増えていくと考えられています」と、老人ホームの入居相談などを行っている「タムラプランニング&オペレーティング」社長の田村明孝さんは言います。
 国土交通省住宅総合整備課によると、高専賃は、比較的元気なうちに自宅から住み替える場所として想定されており、介護などが必要になったら、外部の事業者に依頼することになります。終身利用権方式の多い有料老人ホームと違って、入居の際に賃貸借契約を結ぶため、借家人の権利が法律で保護されており、事業者の倒産などの事態にも住み続ける権利を主張することができます。
 前払い家賃や日常生活に関するサービスの有無など、詳細な情報開示を義務づけられているのも特徴です。介護保険の報酬を受ける「特定施設」の指定を受けることもできます。ただ、現状の高専賃の中身は千差万別なので、入居を検討する場合は、内容を十分調べる必要があります。
 例えば、今月1日にオープンした高専賃「ココファンレイクヒルズ」(東京都大田区)の場合。ここは1、2階にデイサービスや訪問介護ステーションなどが入り、3階が7戸の「ココファンレイクヒルズ」になっています。
 ここの特徴は、首都圏で初めて「終身建物賃貸借契約」を導入したことです。入居者が生きている限り契約が継続し、死亡時に終了する仕組みです。入居者から見ると、契約更新の不安がありません。
 月額費用は、ワンルームタイプで賃料、共益費、緊急時の対応や医療相談などのサービス費で計21万3000円。部屋は25平方メートル以上で、バス、トイレ、キッチン付き。賃料を前払いする方法も選択できます。食事や介護が必要な場合は別に購入することになります。
 高齢者住宅を全国展開する不動産会社「ナラワ」(千葉市)が運営する高専賃「ウェルライフガーデン鎌ヶ谷」(千葉県鎌ヶ谷市)の月額費用は、賃料と共益費で6万8750円。入居時に保証金など14万7660円が必要です。もともとは独身者用の社員寮だったので、部屋は13・5平方メートルのワンルームでバス、トイレは共同です。
 契約は、通常の賃貸借契約です。食事や介護が必要な場合は別料金。テナントとして、介護事業所と食事業者が入っています。現在は30室満室です。入居者の要介護認定は、平均して要介護2ぐらいだそうです。
 このように、高専賃は、部屋の大きさも料金体系も入居者のタイプも千差万別です。よく比較、検討することが必要です。
 「賃貸住宅を選ぶ時に勧めているのは、バリアフリーはもちろん、体調を崩した時に助けてくれる人がいること。まだ元気で外出を楽しみにしている人なら、交通の便がいい所がいい。しかし、食事などの生活管理ができない人は有料老人ホームなどのサービス付き住宅がいいでしょう」と池田さんは言います。
 高齢者住宅財団のホームページで、全国の賃貸住宅を探すことができます。
 主な問い合わせ先
 「シニアライフ情報センター」
 03・5350・8491、http://www.senior-life.org/
 「タムラプランニング&オペレーティング」
 03・3292・1107、http://www.tamurakikaku.co.jp/
 「高齢者住宅財団」
 0120・602・708、http://www.koujuuzai.or.jp/
 「ココファンレイクヒルズ」
 http://www.cocofump.co.jp/
 「ナラワ」
 http://www.100-wlg.net/
(2006年3月13日 読売新聞)

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